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第45回日本臨床病理学会総会 45th JSCP (Nov., 1998) p192
281

日本臨床検査会による電子メール新聞の運用経験について

西堀眞弘*1 土屋達行*2 大場康寛*3

*1 東京医科歯科大学医学部附属病院検査部
*2 日本大学医学部臨床病理学
*3 近畿大学ライフサイエンス研究所

first edition<Last updated, Dec. 10, 1998>
(revised portions from the first edition will be marked with [revn] signs.)


目次

【目的】 | 【方法】 | 【結果】 | 【結論】 | 謝辞 | 【文献】

(初版からの改訂内容)

スライド1:タイトル
スライド2:目的
スライド3:方法(特徴)
スライド4:方法(掲載内容)
スライド5:新聞タイトルおよび目次
スライド6:記事(ニュース)
スライド7:記事(Q&A)
スライド8:結果
スライド9:考察(メリット)
スライド10:考察(課題)


【目的】スライド2] 臨床検査医の実地医療活動は、検査診断支援、検査業務管理、外部精度管理指導、検査センター指導監督など多岐に渡るうえ、最近の医療行政の急転換に対応するため、専門医間のきめ細かな情報交換の必要性が著しく高まっている。しかし会報や会誌等の旧来のメディアだけでは、コスト面および迅速性の点で、十分な対応が困難となりつつある。そこで日本臨床検査医会では、ホームページによる情報伝達[1]に加え、電子メール新聞を発刊し、その実用性と効果につき検証した。

【方法】スライド3][スライド4][スライド5][スライド6][スライド7] 編集は日本臨床検査医会 情報・出版委員会の情報部門が担当し、会誌編集主幹、会報編集主幹およびホームページ編集主幹と緊密に連携しつつ記事を集めた。掲載内容は事務局や各委員会からのお知らせ、行政や業界の動静および会員向けのニュース、解説、新規収載検査、臨床検査Q&A、論壇、声の広場、人事・求人情報、特別寄稿などで、他のメディアとの重複掲載も許容した。新聞として認知を得るため、「JACLaP WIRE」という名称を付してタイトルや記事の体裁を厳密に定め、記事が入る都度随時発刊する不定期刊とした。コスト削減を追求するため、執筆者にはできるだけ電子メールでの入稿を依頼し、電子メールアドレスを持たない会員には購読者からコピーを回覧してもらうこととした。なお、これらの編集方針はホームページ上に公開し、会員からの広く意見を求めて反映させた。発送時には、メーリングリストで問題となるようなジャンクメールの一斉送付を防止する技術的対策を講じた。

【結果】スライド8](1)1998年5月末までにプレビュー号に続いて創刊号を発刊した。(2)470余名の会員のうち購読者は創刊時点で116名であった。(3)記事の95%以上が電子メールで入稿され、入稿から発刊までの時間は最短2日であった。(4)インターネットへの接続費用を除き、会員への送付には全く費用がかからなかった。(5)発送先アドレスのリストを作成する時間を除き、発送にかかる時間は10分以内であった。(6)アドレスの誤登録以外技術的トラブルは無かった。(7)プライバシーやセキュリティーに関する苦情やトラブルは無かった。

【結論】スライド9] 今回の試みにより、電子メール新聞の十分な実用性と、会報と比較して記事入稿から発刊までの時間短縮、校正作業の効率化、記事分量の自由度、印刷や郵送経費の節約が大きなメリットとして実証された。但し購読者が会員の4分の1程度であること、画像情報への対応、発刊頻度の増加による編集作業の負担増大等が今後の課題である[スライド10]。専門医集団が発刊し実地運用されている電子メール新聞は、著者の知る限りこれが世界初であり、今後急速な利用拡大が見込まれる。

(電子メール新聞の編集にご協力いただいている日本臨床検査医会の会員諸氏に深く感謝いたします)

【文献】
[1] 西堀眞弘、土屋達行、木村 聡:
インターネットを使って臨床検査情報をネットワーク化する研究.臨床病理、第44巻補冊、p126、1996

初版(抄録掲載)からの改訂内容

[rev1]
発表時のスライド1〜10を添付


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